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除湿機の電気代はいくら?1時間・1回の目安と、乾燥時間で変わる順番

雨の日や冬に洗濯物が乾かず、除湿機を回している。1回まわすといくらかかるのか、電気代が気になる。そんな方に向けて、メーカーが公表している数字で整理します。

除湿機の電気代は、1時間あたりの金額だけでは決まりません。洗濯物が乾くまでの時間が機種で違うため、1時間あたりが安い機種が、1回あたりでも安いとは限りません。パナソニックは機種別・運転モード別に、1時間あたりと1回あたりの両方を公表しています。

この記事のまとめ

  • 衣類乾燥(速乾・標準)の1時間あたりは、F-YEX200D 約9.6〜10.2円、F-YEX120B 約6.4〜7.0円、F-YEX90D 約5.4〜5.7円(50Hz/60Hz別)
  • 1回あたりはメーカー公表で12.8円・9.9円・11.5円。1時間あたりでいちばん安い F-YEX90D が、1回あたりでは F-YEX120B より高くなる
  • 3機種とも、音ひかえめは1時間では安いが、乾燥時間が延びるため1回では高い(F-YEX120B は9.9円→11.8円)
  • 比較表の試験では、10℃で乾燥時間が約115分・約135分・約177分に延びる(20℃では約80分・約90分・約125分)
  • 除湿の「弱」で電気代が下がるとは限らない。F-YEX200D は弱が310/335Wで強と同等以上
電気代の計算方法をおさらいする 基本料金・従量料金・家電別の計算式

1時間あたりの電気代(機種・モード別)

パナソニックは衣類乾燥除湿機の仕様ページで、運転モードごとに消費電力と1時間あたりの電気代を公表しています。ここでは同じエコ・ハイブリッド方式の3機種を並べます。

各機種の仕様ページ「運転モード」の値。左が50Hz、右が60Hz。電気代は目安単価31円/kWh(税込)での計算。速乾と標準は3機種とも同じ値です
機種・除湿能力モード消費電力1時間の電気代運転音
F-YEX200D
除湿能力 18.5/20.0L/日
速乾+(プラス) 315/335W 9.8/10.4円 51/51dB
速乾・標準 310/330W 9.6/10.2円 49/49dB
音ひかえめ 300/325W 9.3/10.1円 44/44dB
F-YEX120B
除湿能力 10.5/12.5L/日
速乾・標準 205/225W 6.4/7.0円 49/49dB
音ひかえめ 190/205W 5.9/6.4円 41/42dB
F-YEX90D
除湿能力 7.8/8.5L/日
速乾・標準 175/185W 5.4/5.7円 48/48dB
音ひかえめ 160/170W 5.0/5.3円 42/42dB

消費電力・1時間あたりの電気代・モードごとの乾燥時間・1回あたりの電気代は各機種の仕様ページ(F-YEX200D・F-YEX120B・F-YEX90D)、除湿能力は仕様ページと比較表の両方にあります(2026-09-21 取得)。冬季の値は比較表と各機種の製品ページの両方にあり、節ごとにどちらを使ったかを書いています。比較表にも1時間あたりの電気代が載っていますが、F-YEX120B だけ衣類乾燥が7/7円、除湿が6/7円と整数に丸められているため、ここでは仕様ページの値を使っています。31円/kWhは公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が令和4年7月22日に改定した目安単価(税込)です。

除湿能力の値は「強」で測られている

比較表にある除湿能力(20L/日・12.5L/日・8.5L/日)は60Hzの値で、50Hzでは18.5L/日・10.5L/日・7.8L/日になります(F-YEX120B は60Hzの値に対して16%小さい)。いずれも注記によると除湿・強モードで、室温27℃・相対湿度60%を維持したときの1日あたりの量です。

同じ比較表には除湿時の電気代も載っていますが、そちらは自動モードの値です。「20L/日の除湿能力で1時間10.1円」という読み方はできません(どちらも60Hzですが、能力は強、電気代は自動の値です)。比較表には強・自動・弱それぞれの電気代も別に載っています。能力と電気代は別のモードの数字です。

50Hzと60Hzで消費電力が変わる

表の値が2つ並んでいるのは、電源周波数によって消費電力が変わるためです。F-YEX120B の速乾・標準では50Hzで205W・60Hzで225Wと、1割ほどの差があります。お使いの地域がどちらかは、契約中の電力会社の案内でご確認ください。

1回あたりは、メーカーが公表している

洗濯物が乾くまで運転する家電なので、1時間あたりの金額だけでは1回にいくらかかるかは分かりません。パナソニックは仕様ページで「1回あたりの電気代のめやす」を公表しています。

この値は、注記によると衣類乾燥時間の総消費電力量から算出されたもので、日本電機工業会の自主基準(JEMA-HD090:2017)により測定されています。

1時間あたりの金額に乾燥時間を掛けると、公表値と一致する組み合わせと、しない組み合わせがあります。なお掛ける乾燥時間は、比較表の注記では60Hzでの試験結果です。50Hzの円/hで計算すると、速乾・標準では F-YEX200D だけが12.8円で一致し、F-YEX120B は9.6円・F-YEX90D は約11.3円で公表値(9.9円・11.5円)を下回ります。60Hzで計算すると13.6円・10.5円・約11.9円となり、3機種とも公表値を上回ります。ここでは掛け算をせず、公表値をそのまま使います。

衣類乾燥の速乾・標準での値。1回あたりの電気代は衣類乾燥時間の総消費電力量から算出された公表値で、JEMA-HD090:2017 により測定、31円/kWhでの計算です
機種1時間の電気代乾燥時間1回あたりの電気代
F-YEX200D
除湿能力 18.5/20.0L/日
9.6/10.2円 80分 12.8円
F-YEX120B
除湿能力 10.5/12.5L/日
6.4/7.0円 90分 9.9円
F-YEX90D
除湿能力 7.8/8.5L/日
5.4/5.7円 125分 11.5円
1回あたりの電気代(速乾・標準/メーカー公表) F-YEX200D 80分 12.8円 F-YEX120B 90分 9.9円 F-YEX90D 125分 11.5円 色の濃い行が1回あたりで最も安い機種
1時間あたりでは F-YEX90D が最も安いのに、1回あたりでは F-YEX120B が最も安くなります。

1時間で安い機種が、1回でも安いとは限らない

この節で使う乾燥時間(80分・90分・125分)は、比較表の注記 ※1 にある20℃・70%・衣類量約2kg・60Hz(JEMA-HD090:2017)の試験結果と同じ値です。1回あたりの注記 ★3 にも同じ JEMA-HD090:2017 と31円/kWhが書かれていますが、室温や衣類量は書かれていません。

1時間あたりの安い順は、F-YEX90D(約5.4〜5.7円)、F-YEX120B(約6.4〜7.0円)、F-YEX200D(約9.6〜10.2円)です。ところが1回あたりでは、F-YEX120B の9.9円が最も安く、F-YEX90D は11.5円、F-YEX200D は12.8円です。

乾燥にかかる時間が90分・125分・80分と違うためです。この3機種では、除湿能力の小さいものほど1時間あたりの消費電力が小さく、あわせて乾くまでの時間も長くなっています。

「小さい機種のほうが安い」とは言えない

除湿能力7.8/8.5L/日の F-YEX90D と、10.5/12.5L/日の F-YEX120B を比べると、1回あたりでは能力の大きい F-YEX120B のほうが安くなります。ただしこれは、この2機種を比べたときの話です。最も能力の大きい F-YEX200D は1回あたり12.8円で、速乾・標準どうしで比べると3機種の中でいちばん高い値です。部屋干しの電気代で比べるなら、1時間あたりではなく1回あたりで見てください。

F-YEX200D には、さらに速いモードがある

F-YEX200D には「速乾+(プラス)」があり、乾燥時間は70分です。1時間あたりは約9.8〜10.4円と速乾より高いものの、1回あたりは11.4円で、速乾・標準の12.8円より安くなります。運転音は51dBと3機種のモードの中で最も大きい値です。

製品ページはこのモードを「シリーズ最速の乾燥スピード 約70分(梅雨時)」と書いています。「シリーズ最速」には「当社発売エコ・ハイブリッド方式衣類乾燥除湿機において(2026年3月現在)」という限定が付いていて、パナソニックの同じ方式の機種の中で最も速い、という意味です。

この3機種では、静かなモードは1回では高くなる

3機種とも「音ひかえめ」があり、1時間あたりの電気代は速乾・標準より安くなります。ただし乾燥時間が延びるため、1回あたりでは高くなります。

各機種の仕様ページの値。運転音と1回あたりの電気代の関係
機種速乾・標準音ひかえめ
F-YEX200D 80分・12.8円
49/49dB
87分・13.7円
44/44dB
F-YEX120B 90分・9.9円
49/49dB
120分・11.8円
41/42dB
F-YEX90D 125分・11.5円
48/48dB
168分・14.0円
42/42dB

F-YEX120B では、運転音が49dBから41・42dBに下がる代わりに、1回あたりが9.9円から11.8円になります。夜に静かに使いたいときは、電気代と引き換えの選択になります。

窓辺のレースカーテンの前に置いた折りたたみ式の物干しに、長袖のトップス2点と掛け布1点が干されている室内。
部屋干しのイメージです(写真に除湿機は写っていません)。

冬は乾燥時間が延びる

比較表の注記には、日本電機工業会の自主基準(JEMA-HD090:2017)による試験の結果が載っています。衣類の量は約2kg相当、60Hz、部屋の広さ6畳相当、干し方は傘干しタイプ18本、衣類乾燥・速乾モードでの測定です。

比較表の注記 ※1 にある試験結果。※1 が試験条件として書いている湿度は20℃側の70%だけですが、各機種の製品ページの注記 ※2 では10℃側も70%と書かれています
機種20℃(梅雨時)10℃(冬季)
F-YEX200D約80分約115分
F-YEX120B約90分約135分
F-YEX90D約125分約177分

この比較表の値どうしで見ると、気温が10℃下がると乾燥時間は1.4〜1.5倍になります(80→115分で1.44倍、90→135分で1.50倍、125→177分で1.42倍)。

注記には「実使用時の運転時間は、設置環境や衣類の種類・量・干し方により異なります」とも書かれています。

冬の1回あたりは公表されていない

冬季について、1回あたりの金額は公表されていません。ただし製品ページの注記 ※2 に10℃・70%での消費電力量が載っているので、そこから計算できます。

「1回(メーカー公表)」は各機種の仕様ページの注記 ★3 の値。冬季(10℃・70%)の消費電力量と乾燥時間は各機種の製品ページの注記 ※2 にあります(F-YEX200D の乾燥時間は上の表の約115分と食い違います。食い違いについては下記)。冬季の1回あたりは、その消費電力量から当サイトが31円/kWhで計算した値です
機種1回(メーカー公表)冬季の消費電力量冬季の1回(当サイト計算)
F-YEX200D12.8円480Wh・125分約14.9円
F-YEX120B9.9円423Wh・135分約13.1円
F-YEX90D11.5円453Wh・177分約14.0円

同じ注記 ※2 には冬季以外の消費電力量(412Wh・312Wh・370Wh)も載っていて、同じように計算すると12.8円・9.7円・11.5円です。注記の中で冬季とそろえると、消費電力量の差は68Wh・111Wh・83Whです。目安単価で計算すると約2.1円・約3.4円・約2.6円、毎日続けば、30日で約63円・約103円・約77円の違いになります。

この計算値は、F-YEX200D と F-YEX90D では公表の1回あたり(12.8円・11.5円)と一致します。F-YEX120B だけは公表値が9.9円で、9.7円とずれます。

公表値の注記 ★3 には室温も衣類量も書かれていないので、公表値と冬季の計算値をそのまま引き算した額は、季節の差として読めるとは限りません。上の差額は、注記 ※2 の中だけで比べた値です。

メーカーの資料のあいだで値が食い違うところがある

パナソニックの資料を突き合わせると、同じ機種の同じ項目に2つの値が載っている箇所があります。当サイトはどちらが正しいかを判定できないので、使った側を書いておきます。

F-YEX200D の速乾+は冬季も公表されている

F-YEX200D の速乾+(プラス)モードについては、製品ページが梅雨時 約70分・冬季 約99分と両方を公表しています。速乾・標準の80分・115分(比較表)と比べると、冬でも速い側です。

年間で想定されている回数は365回

製品ページの年間の試算では、洗濯の回数を冬季以外275回・冬季90回として計算しています(パナソニックの自社基準)。合わせて365回で、毎日1回の部屋干しにあたります。

除湿運転は「弱」が安いとは限らない

洗濯物を乾かすのではなく、部屋の湿気を取る目的で使うときは除湿運転になります。3機種の値を並べます。

各機種の仕様ページ「運転モード・除湿」の値。左が50Hz、右が60Hz
機種強自動弱
F-YEX200D310/330W・9.6/10.2円300/325W・9.3/10.1円310/335W・9.6/10.4円
39/39dB
F-YEX120B205/225W・6.4/7.0円190/205W・5.9/6.4円185/200W・5.8/6.2円
37/37dB
F-YEX90D175/185W・5.4/5.7円160/170W・5.0/5.3円155/165W・4.8/5.1円
39/40dB

F-YEX120B と F-YEX90D は、弱にすると消費電力も電気代も下がります。ところがF-YEX200D の弱は310/335Wで、強(310/330W)と同じか大きい値です。運転音は39dBまで下がりますが、電気代は下がりません。

「弱にすれば安くなる」という言い方は、機種によって成り立ちません。お使いの機種の仕様表で、モードごとの消費電力を確かめてください。

3機種に共通して弱で下がるのは、音のほう

電気代が下がるかは機種によりますが、運転音は3機種とも弱で下がります。F-YEX200D で39dB、F-YEX120B で37dB、F-YEX90D で39・40dBです。

タンクが満水になると止まる。ただし連続排水に対応する機種がある

タンク容量は F-YEX200D が約5.0L、F-YEX120B が約3.2L、F-YEX90D が約2.4Lで、満水になると自動で停止します。

ただし比較表の「連続排水」の欄は、F-YEX200D と F-YEX120B が●、F-YEX90D が-です。注記によると市販のホース(内径15mm)が必要で、F-YEX120B の製品ページは「長時間の運転でも、タンクの水捨てを気にせず使えます」と書いています。長時間まわすなら、タンク容量だけでなくこの欄も見てください。

省エネをうたう方式の条件

この3機種はいずれも、パナソニックが「エコ・ハイブリッド方式」と呼ぶ除湿方式です。製品ページには消費電力の削減率が書かれていますが、率は機種ごとに違い、比較している従来品も機種ごとに違います。

各製品ページの注記より。削減率を再現するのは注記 ※1 の〈除湿性能〉の欄にある「JIS基準による除湿量◯L/日の消費電力」どうしの比較。年間の値と想定洗濯回数(冬季以外275回・冬季90回)は各製品ページの注記 ※2、比較の基準は同じページの★注記にある「消費電力量の比較(自社基準による)」
機種公表の削減率比較した従来品年間(同条件)メーカー公表の年間削減額
表現は各製品ページの記載のまま。F-YEX200D と F-YEX90D は同じページに「約〜」の表記もあります
F-YEX200D 約60%
330W 対 830W
F-YHX200B 156kWh・4,861円
従来品 302kWh・9,356円
最大約4,400円
F-YEX120B 約69%
225W 対 715W
F-YHVX120 124kWh・3,841円
従来品 342kWh・10,602円
約6,700円
F-YEX90D 約67%
185W 対 555W
F-YHX90B 143kWh・4,423円
従来品 332kWh・10,312円
最大約5,800円

エコ・ハイブリッド方式とは何か

F-YEX120B の製品ページは、エコ・ハイブリッド方式を「2つの冷却機構で除湿する方式」と書き、これを「パナソニック独自」としています。この独自性には「家庭用の衣類乾燥除湿機において。2つの冷却機構で除湿する方式。2025年4月1日現在(当社調べ)」という限定が付いています。自社で調べた時点の話だということです。3機種とも、パナソニックが特許を取得した除湿方式(空冷式熱交換器を搭載した除湿方式・特許第6643569号)と説明されています。

削減率は消費電力の比較で、電気代の比較ではない

公表されている「約60%」「約69%」「約67%」は、消費電力(W)どうしの比較です。この率を再現できるのは注記 ※1 の〈除湿性能〉の欄にある「JIS基準による除湿量20.0L/日の消費電力」330Wと従来品830W(120Bは225Wと715W、90Dは185Wと555W)で、いずれも割り算の結果が、四捨五入すると公表の率になります。

なお同じページの別の注記(F-YEX200DとF-YEX90Dは★1、F-YEX120Bは★2)では、この比較を「衣類乾燥・速乾モードの消費電力の比較(JIS基準による)」と書いています。年間の電気代で見ると、F-YEX120B で3,841円と10,602円なので、下がる割合は約63.8%になります。公表の削減率をそのまま「電気代が○%下がる」と読むと、3機種とも実際より大きくなります。

「ただし乾燥時間は長くなります」と書かれている

製品ページの注記には、3機種とも「ただし乾燥時間は長くなります」と明記されています。衣類乾燥の試験(20℃・70%)での比較は次のとおりです。

各製品ページの注記 ※2 より。JEMA自主基準(JEMA-HD090:2017)・60Hz・衣類量約2kgでの試験結果。F-YEX200D の412Whは注記 ※1 では330Whと書かれています(上の「メーカーの資料のあいだで値が食い違うところがある」を参照)
機種消費電力量・乾燥時間比較した従来品時間の差
F-YEX200D412Wh・80分F-YHX200B 785Wh・58分22分長い
F-YEX120B312Wh・90分F-YHVX120 885Wh・75分15分長い
F-YEX90D370Wh・125分F-YHX90B 857Wh・97分28分長い

消費電力量は従来品の35.3〜52.5%に減る一方で、乾くまでの時間は15〜28分長くなります。3機種とも、メーカーが示す年間の試算(自社基準による一例)では従来品より電気代が下がり、乾燥時間は延びています。

出典: パナソニック 各機種の製品ページ(F-YEX200D・F-YEX120B・F-YEX90D。削減率・年間の値・試験条件)。2026-09-21取得。

1日1回・1か月使った場合

F-YEX120B の速乾・標準で、1日1回の部屋干しを30日続けた場合を見ます。公表の1回あたり9.9円を積むと、1か月で約297円です。

使用量のほうは、製品ページの注記 ※2 にある冬季以外の1回312Whから9.36kWhになります。

これを目安単価31円で計算すると約290円で、公表の1回あたりを積んだ約297円とは少し違います。公表値がどの消費電力量から算出されたかは、注記に書かれていません。

9.36kWhを段階制の料金で計算すると、電力量料金の増加分は約341円です。同じ使用量を目安単価で計算した約290円より多くなります。

これは東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、除湿機を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)です。この額は、もともとどれだけ使っている家庭かで変わります。足しても120kWhを超えない家庭(もともと約110.6kWh以下)なら全部が1段目(29.80円)に乗るので、増加分は約279円で目安単価の計算を下回ります。

浴室乾燥機とは、公表値の条件がそろわない

部屋干しの手段としては、浴室乾燥機もあります。ただしメーカーが公表している試験の条件が違うので、金額をそのまま並べることはできません。

浴室乾燥機は、1回あたり・乾燥時間・衣類の量が取扱説明書の同じ表に並んでいて、測定条件もその表に付いています。除湿機の9.9円と90分は仕様ページの値で、そこに室温も衣類量も書かれていません(9.9円の注記 ★3 にあるのは測定基準と単価だけ、90分の行には注記が付いていません)。下2行は比較表の注記 ※1 にある試験条件で、同じ乾燥時間の試験のものですが、仕様ページの値にも掛かるとは書かれていません。単価が違い、温度も20℃と外気温25℃で別のものを指しているため、そのままの比較はできません
項目衣類乾燥除湿機(F-YEX120B・速乾・標準)浴室乾燥機(TOTO 100V・標準モード)
1回あたり9.9円
仕様ページの注記 ★3
約120円
取扱説明書の表
その計算に使われた単価31円/kWh
仕様ページの注記 ★3
27円/kWh
取扱説明書の測定条件
乾燥時間90分
仕様ページ
約3時間30分
同じ表
衣類の量約2kg
比較表の注記 ※1
3〜5kg
同じ表
温度・湿度20℃・湿度70%
比較表の注記 ※1
外気温25℃(一坪相当のシステムバス・窓あり・断熱材あり・湿度60%)
取扱説明書の測定条件

TOTOの100V機には、標準モードより安い値が公表されたモードもある

上の表に載せたのはTOTOの標準モードですが、TOTOの同じ表にはecoモードも並んでいます。100Vの4機種で、外気温25℃なら約10時間・約40円(標準モードは約3時間30分・約120円)、外気温5℃なら約10時間・約120円(標準モードは約4時間50分・約170円)です。どちらの外気温でも、標準モードより安い値が公表されています。ただし5℃では120円と170円で、25℃の40円と120円ほどの差はありません。取扱説明書はecoモードを「外気温に応じて、温風乾燥の時間を自動で調整し、電気代を抑えます」と説明し、続けて「(標準モードよりも乾燥時間は長くなります)」と書いています。

ただし単価も温度の指すものも衣類の量も違うままなので、除湿機の金額との差がどれだけ縮むかは比べられません。乾燥にかける時間も、除湿機は90分、浴室乾燥機は約10時間(衣類3〜5kg)です。浴室乾燥機側は衣類の量が同じ表に書かれていますが、除湿機の90分にはその記載がありません。

TOTOの取扱説明書にある100Vの4機種は1,000Wを超える

ここで挙げたパナソニックの3機種は、衣類乾燥のモードで160〜335Wです。TOTOの取扱説明書にある100Vの4機種は、衣類乾燥(標準)が1,090〜1,250Wです。ただし上の表で比べた F-YEX120B は90分、浴室乾燥機は約3時間30分と、かかる時間も違います。消費電力の比が、そのまま金額の比になるわけではありません。ここで挙げた値はいずれもこの3機種とTOTOの4機種のもので、ほかの方式・ほかのメーカーには当てはまりません。詳しい数字は浴室乾燥機の電気代にまとめています。

出典: 浴室乾燥機はTOTO 浴室換気暖房乾燥機(24時間換気機能付)取扱説明書 F06775R(2020年1月)(2026-09-24取得。1回あたりと乾燥時間は100V 4機種共通の表、消費電力は機種別で1,090〜1,250W)。27円/kWhの出所も全国家庭電気製品公正取引協議会で、同じ説明書は別の表の試算条件に「2019年6月現在、料金単価は消費税8%での値です」と書いています。除湿機はF-YEX120B の仕様ページ(9.9円・90分・31円/kWh)と比較表(試験条件。2026-09-21取得)。

段階制の料金では、使用量が増えると高い段の単価がかかる分が出る

従量電灯Bのような段階制の料金では、使った量に同じ単価を掛けて電気代が決まるわけではありません。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bは、120kWhまで29.80円、300kWhまで36.40円、それを超えると40.49円と、使うほど単価が上がります(2026-06-11取得・2026-07-31改定の有無を確認)。

どの段にかかるかで、同じ使用量でも額が変わる

1日1回・30日の9.36kWhを足したときの増加分が約341円になったのは、その分が丸ごと2段目(36.40円)に乗ったためです。同じ9.36kWhでも、乗る段によって額が変わります。

1日1回・30日(9.36kWh)を足したときの電力量料金の増加分。目安単価31円で計算すると約290円です
足したあとの使用量かかる単価増加分
120kWh以内に収まる(もともと約110.6kWh以下)29.80円約279円
120〜300kWhの中に収まる36.40円約341円
300kWhを超えたところに乗る40.49円約379円

段の境目をまたぐ場合は、その手前までが低いほうの単価、超えた分が高いほうの単価になります。

梅雨や冬は他の家電でも使用量が増えるので、手元の検針票と契約中の料金表で確かめてください。

単価は東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bの公表値です(2026-06-11取得)。

選ぶときに見る値

カタログには複数の数字が並びます。電気代の観点では、次の3つを見ると比べやすくなります。

除湿可能面積は、建物の造りで倍ほど変わる

比較表の「除湿可能面積の目安」(日本電機工業会の規格に基づく値)。左が50Hz、右が60Hz
機種木造プレハブ鉄筋
F-YEX200D23畳/25畳36畳/38畳47畳/51畳
F-YEX120B13畳/16畳20畳/24畳27畳/32畳
F-YEX90D10畳/11畳15畳/16畳20畳/21畳

同じ機種でも、木造と鉄筋では対応できる広さが2倍ほど違います。比較表はこの2つを別の数字として載せているので、部屋の畳数を見るときは建物の造りの側も合わせて確認してください。タンク容量は約5.0L・約3.2L・約2.4Lで、満水になると自動で止まります。ただし比較表の「連続排水」の欄は F-YEX200D と F-YEX120B が●、F-YEX90D が-なので、長時間まわすなら、タンク容量だけで判断しないでください。

1時間あたりだけを見て選ばない

カタログやネットの記事では、1時間あたりの電気代が並びます。ただしこのページで見たとおり、乾燥時間が機種で違うため、1時間あたりが安い機種が1回あたりでも安いとは限りません。部屋干しに使うなら、1回あたりの値と乾燥時間をセットで見てください。

部屋を涼しくする家電ではない

比較表と各製品ページには、「衣類乾燥除湿機にはお部屋を冷やす機能はありません。むしろ運転中は熱を発生しますので温度が上がります」と書かれています。夏に涼をとる目的では使えない、ということです。

公表値は試験室の条件での値

各製品ページの末尾には、上の「お部屋を冷やす機能はありません」と並べて「実使用空間での実証効果ではありません。実際の効果は、周囲環境(温度・湿度)、運転時間、衣類の素材、形状などによって異なります」と書かれています。このページで扱った値も、試験室の条件で測られたものです。

浴室乾燥機の電気代を見る TOTOの公表値でみる1回あたりの目安と、100Vと200Vの違い
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よくある質問

除湿機の電気代は1時間いくら?

機種と運転モードで変わります。パナソニックの衣類乾燥除湿機3機種では、衣類乾燥(速乾・標準)の1時間あたりが F-YEX200D 約9.6〜10.2円、F-YEX120B 約6.4〜7.0円、F-YEX90D 約5.4〜5.7円です(50Hz/60Hz別・31円/kWh)。除湿運転の値は機種とモードで別に公表されていて、たとえば F-YEX120B の自動は約5.9〜6.4円です。ただし F-YEX200D のように、弱が強と同等以上になる機種もあります。

部屋干し1回あたりではいくら?

パナソニックは仕様ページで「1回あたりの電気代のめやす」を公表しています。衣類乾燥の速乾・標準で F-YEX200D 12.8円、F-YEX120B 9.9円、F-YEX90D 11.5円です。衣類乾燥時間の総消費電力量から算出された値で、JEMA-HD090:2017 により測定、31円/kWhでの計算です。

1時間あたりが安い機種なら、1回でも安い?

そうとは限りません。1時間あたりでは F-YEX90D(約5.4〜5.7円)がいちばん安いのに、1回あたりでは11.5円で、F-YEX120B の9.9円より高くなります。乾燥にかかる時間が125分と90分で違うためです。F-YEX200D(約9.6〜10.2円)は1時間あたりが最も高く、80分で終わるものの1回あたりでも12.8円で、速乾・標準どうしで比べると3機種の中で最も高い値です。ただし F-YEX200D には速乾+(プラス)があり、そちらは70分・11.4円です。

静かなモードにすると電気代は下がる?

パナソニックのこの3機種では、1時間あたりは下がりますが、1回あたりでは上がります。F-YEX120B の音ひかえめは1時間あたり約5.9〜6.4円で速乾・標準より安い一方、乾燥時間が90分から120分に延びるため、1回あたりは9.9円から11.8円になります。運転音は49dBから41・42dBに下がります。

冬は電気代が上がる?

乾燥にかかる時間が延びます。パナソニックの比較表の注記(JEMA-HD090:2017・衣類約2kg・60Hz)では、20℃・70%で F-YEX200D 約80分・F-YEX120B 約90分・F-YEX90D 約125分だったのが、10℃(冬季)では約115分・約135分・約177分になります。この注記が書いている湿度は20℃側の70%だけですが、各機種の製品ページの注記 ※2 では10℃側も70%と書かれています。1回あたりの電気代は冬季について公表されていませんが、各機種の製品ページの注記にある冬季の消費電力量(F-YEX120B は423Wh)から当サイトで計算すると、F-YEX120B で約13.1円です(31円/kWh)。なお F-YEX200D の冬季の乾燥時間は、比較表の注記が約115分、製品ページの注記が125分と、資料によって違います。

除湿機で部屋は涼しくなる?

パナソニックは「衣類乾燥除湿機にはお部屋を冷やす機能はありません。むしろ運転中は熱を発生しますので温度が上がります」と書いています。涼しくするための家電ではなく、湿気を取るための家電です。

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