床暖房の電気代はいくら?電気式の1時間・1か月の目安と、消費電力の見方
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足元からじんわり暖かい床暖房は、一度使うと手放しにくい暖房です。そのぶん、つけたままでいいのか、冬の請求がいくらになるのか、気になっている方も多いはずです。
電気式の床暖房は、パネルごとに消費電力が決まっていて、部屋の畳数より、ヒーターを敷いた面積で消費電力が変わります。また、北日本電線のカタログに載っている2004年の実験(木造・平成11年省エネ基準の8帖、外気温5℃・室温20℃)では、実際に使った電力量は、1.6kWのまま8時間使い続けた場合の半分以下でした。
このページでは、メーカーの施工プラン例と施工説明書に書かれた消費電力から1時間・1か月の金額を出し、メーカーのカタログに載っている実験データで実際の使用量との差を確かめたうえで、電力会社の料金表で数字にします。お湯を循環させる温水式は、しくみの違いだけを説明します。
この記事のまとめ
- 施工プラン例の洋室10帖(ヒーター9.2㎡・2,120W)を最大消費電力のまま使い続けると、1時間約66円
- 参照した2社の資料では、1㎡あたりの消費電力は約182〜230W。敷いた面積に掛けるとおおよその値がつかめる
- 北日本電線のカタログに載っている実験(2004年・木造 平成11年省エネ基準の8帖・外気温5℃・室温20℃・8時間)では、使った電力量は1.6kWで使い続けた場合の約47%だった
- 10帖を1日8時間・30日、平均の消費電力が最大の50%なら254.4kWh。目安単価では約7,886円、段階単価での増加分は約10,096円
- パナソニックの施工説明書は、電源を専用分岐回路とし、同社のPTCヒーターは低温時に定格の約2倍の電流が流れる可能性があるとしている
床暖房(電気式)の電気代の目安
電気式の床暖房は、床の下に敷いたヒーターパネルに電気を流して床を暖めます。消費電力はパネル1枚ごとに決まっていて、何枚敷くかで合計が変わります。
北日本電線の電気床暖房「ゆかい〜な」の施工プラン例には、部屋ごとのヒーター面積と最大消費電力が載っています。この最大消費電力のまま使い続けた場合の金額を出しました。
| 部屋 | ヒーター面積(敷設率) | 最大消費電力 | 1時間 | 1か月 |
|---|---|---|---|---|
| 洋室6帖 | 5㎡(50%) | 1,140W | 約35円 | 273.6kWh/約8,482円 |
| 和室8帖 | 6.9㎡(53%) | 1,600W | 約50円 | 384.0kWh/約11,904円 |
| 洋室10帖 | 9.2㎡(56%) | 2,120W | 約66円 | 508.8kWh/約15,773円 |
| リビング・ダイニング12帖 | 11.5㎡(59%) | 2,660W | 約82円 | 638.4kWh/約19,790円 |
ヒーター面積・敷設率・最大消費電力は北日本電線「ゆかい〜な」施工プラン例の記載です(2026-09-15 取得)。31円/kWhは公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価です。工事費や本体価格は含めていません。
表は、最大消費電力のまま使い続けた場合
表の金額は、最大消費電力のまま使い続けた場合の計算です。次の節で見るように、北日本電線のカタログに載っている実験では、実際に使った電力量はこれより少なくなっていました。
1㎡あたりの消費電力は、2社の資料で約182〜230W
パナソニックの電気床暖房「フリーほっと」の施工説明書(2012年作成)では、幅303mm・長さ2,727mmの9尺パネルが150Wです。面積は約0.83㎡なので、1㎡あたり約182Wです。
北日本電線の「ゆかい〜な」は、面積3.3㎡のKB-1818が760Wで、1㎡あたり約230Wです。同社の表では、ほかのサイズもおおむね同じ割合になっています。
自宅の床暖房の消費電力が分からないときは、ヒーターを敷いた面積に1㎡あたりの値を掛けると、おおよその値がつかめます。正確な値は、施工時の資料やコントローラーの取扱説明書、施工した会社で確認してください。
定格の消費電力と、実際に使った電力量の違い
パナソニックの資料では、通電率で温度を制御する
パナソニックの施工説明書は、同社の電気床暖房「フリーほっと」のコントローラーの温度制御を「通電率によるリレーON・OFF制御」と書いています。リレーでヒーターへの電気を入り切りし、その割合で温度を制御する方式です。
同社の製品ページは、フリーほっとのPTCヒーターについて、温度に応じてヒーター自身が発熱量を抑えると説明しています。日光で暖められた部分は発熱が抑えられる、ともしています。
カタログに載っている実験では、1.6kWで使い続けた場合の約47%だった
北日本電線「ゆかい〜な」のカタログには、2004年の実験データが載っています。木造(平成11年省エネ基準)の実験住宅の8帖を、外気温5℃のもとで室温20℃に保ち、8時間運転した場合です。使った床暖房は1.6kWのKA-2527です。
カタログの表では、使用電気量5.99kWh・単価27.5円・月間コスト5,106円とされています。5.99kWh×27.5円×31日がこの月間コストと一致するので、5.99kWhは1日あたりの値と読めます。
1.6kWを8時間使い続けると12.8kWhなので、実際に使った電力量は約47%でした。これは8時間の平均の消費電力が1.6kWの約47%だったという意味で、ヒーターが入っていた時間の割合を示すものではありません。
この割合は、この住宅・この条件での結果です。断熱の性能、外の気温、設定温度、ヒーターを敷いた割合が違えば変わるので、どの家にも当てはまる数字ではありません。
実験データは北日本電線 電気床暖房システム「ゆかい〜な」カタログの記載です(2026-09-15 取得)。カタログの金額はカタログに書かれた単価(27.5円/kWh)による計算なので、このページでは使用電力量だけを使い、金額は現在の単価で計算し直しています。
部屋の広さより、ヒーターを敷いた面積を見る
床暖房の電気代は「10畳の場合」のように部屋の広さで示されることがあります。ただ、参照した2社の資料では消費電力はパネルの面積ごとに決まっているので、効くのは実際にヒーターを敷いた面積です。
北日本電線の施工プラン例では、洋室10帖に敷くヒーターは9.2㎡で、敷設率は56%です。部屋の床すべてにヒーターが入るわけではありません。
敷く場所には決まりがある
パナソニックの施工説明書も、造作家具や流し台、洗面台などの下には床暖房パネルを敷かないよう求めています。北日本電線は、部屋の条件によるとしたうえで、主暖房として床暖房を使うなら敷設率は50〜60%必要としています。
これから付けるなら、敷く面積を確かめる
同じ10帖でも、敷く面積を減らせば消費電力は小さくなり、増やせば大きくなります。これから付けるなら、どこにどれだけ敷くかで、最大消費電力が変わります。
平均の消費電力の割合で、1か月の金額はどう動くか
洋室10帖(2,120W)を1日8時間・30日使う場合で、平均の消費電力が最大消費電力の何%かを振ると次のようになります。
| 平均の消費電力(最大に対する割合) | 1か月の使用量 | 目安単価31円での計算 | 段階単価での電力量料金の増加分 |
|---|---|---|---|
| 100%(最大のまま) | 508.8kWh | 約15,773円 | 約20,397円 |
| 70% | 356.2kWh | 約11,042円 | 約14,218円 |
| 50% | 254.4kWh | 約7,886円 | 約10,096円 |
| 30% | 152.6kWh | 約4,731円 | 約5,974円 |
定格の消費電力だけで判断しない
表の幅は、同じ床暖房でも使い方と住まいの条件で1か月の金額が大きく変わることを示しています。最大消費電力のまま計算した金額は、実際の請求と一致するとは限りません。
増えた分は高い段の単価で計算される
電気代は、使った量に同じ単価を掛けて決まるわけではありません。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bは、120kWhまで29.8円、300kWhまで36.4円、それを超えると40.49円と、使うほど単価が上がります。
暖房を使わない月に250kWh使っている家庭が、実験と同じ1日5.99kWhを30日続けて179.7kWh足すとします。250kWhから300kWhまでの50kWhが36.4円、残りの129.7kWhが40.49円で計算されます。
1kWhあたりにすると約39.4円で、目安単価の31円より高くなります。もともとの使用量が300kWhに近いか、すでに超えている家では、増えた分の多くが40.49円の段で計算されます。
単価は東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bの公表値です。区切りの使用量と各段の単価はプランごとに決まっているので、手元の検針票と契約中の料金表を並べて見るのが確実です。大手電力の単価はエリア別の従量電灯の単価一覧で比べられます。燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は、使った量に比例して別に上乗せされます。
つけっぱなしとこまめに消す、どちらが安いか
床暖房は「つけっぱなしのほうが安い」と言われることがあります。ただ、このページで参照している施工説明書やカタログからは、どちらが安いかは判定できません。
資料から言えること
パナソニックの施工説明書にあるのは、温度制御が通電率によるON・OFF制御であることと、同社のPTCヒーターは低温時に最大で定格の約2倍の電流が流れる可能性があることです。どちらも、つけっぱなしとこまめに消すのどちらが安いかを示すものではありません。
自宅で確かめる方法
いちばん確実なのは、自宅の使用量で比べることです。電力会社の会員サイトなどで日ごとの使用量が見られるなら、つけたままにした日と、外出中に切った日を、気温の近い日どうしで見比べてください。
電源の回路と電流の条件
パナソニックの施工説明書は、同社の電気床暖房について、床暖房パネルの電源を「必ず専用分岐回路」とし、定格電流20Aの漏電ブレーカを付けるよう求めています。北日本電線の施工プラン例にも、部屋ごとに必要な電灯回路数が書かれています。
同じ説明書では、1回路にまとめられる床暖房パネルの消費電力にも上限があり、大面積用コントローラーの1回路あたり100Vで960W、200Vで1,920Wです。北日本電線の施工プラン例でも、洋室10帖(2,120W)の必要電灯回路数を2回路としています。
100Vと200Vでは流れる電流が違う
北日本電線の表では、同じ6.9㎡・1,600Wでも、100VのKA-2527は定格電流16.0A、200VのKB-2527は8.0Aです。この表では、消費電力が同じとき200V品の電流は100V品の半分です。
電力量料金は使った電力量(kWh)で計算されるので、契約と単価が同じで、使った電力量も同じなら、100Vか200Vかで電力量料金は変わりません。違うのは、配線やブレーカーにかかる電流の大きさです。
冬の朝に床暖房とエアコン、電子レンジなどを同時に使うとブレーカーが落ちるかどうかは、契約と配線で変わります。心配なときは、施工した会社や契約中の電力会社に確認してください。
回路と電流の記載はパナソニック 電気床暖房「フリーほっと」施工説明書(2012年作成)と、北日本電線「ゆかい〜な」KAタイプ仕様・同 製品ページによります(2026-09-15 取得)。現行品の値は、各メーカーの最新の資料で確認してください。
温水式の床暖房との違い
床暖房には、電気でヒーターを暖める電気式のほかに、温水式があります。パナソニックの温水式床暖房のページは、温水式を「床暖房パネルに熱源機で作ったお湯を循環させることでお部屋を暖める床暖房システム」と説明し、家庭用ヒートポンプ式温水暖房機やエコキュートとの組み合わせを案内しています。
このページの計算は温水式には当てはまらない
温水式は、ヒーターパネルに電気を流す電気式とは熱の作り方が違うので、このページの計算はそのまま当てはまりません。このページの金額は電気式の話です。
エアコンとはどう比べるか
エアコン暖房の電気代は、エアコンの電気代で1時間あたり約20〜40円を目安として示しています。床暖房は洋室10帖の例で、最大消費電力のまま使い続けると1時間約66円、平均の消費電力がその半分なら約33円です。
どちらが安いかは、資料からは判定できない
このページで参照している資料からは、どちらの電気代が安いかは判定できません。使い方と住まいの条件によって、1時間あたりの金額は重なる範囲があります。暖房器具ごとの1時間あたりの比較は、暖房の電気代はどれが安い?にまとめています。
使うときに確かめること
使い方を確かめる
床暖房の使い方で使用量がどれだけ変わるかは住まいによって違うので、自宅の日ごとの使用量で確かめることから始めます。
- 温度センサーの上に物を置かない。北日本電線は、センサーの上に物を置くとセンサーの温度が上がり、パネル全体が温まりにくくなることがあるとしている
- ヒーターの上に断熱性のある家具を置かない。パナソニックの施工説明書は、ソファーやタンスなど断熱性のあるものを発熱部の上に置くことはできないとし、ソファーやベッドは脚または底の高さが床面から5cm以上のものを選ぶよう求めている
- 設定温度を変えたら、日ごとの使用量を見比べて、自宅でどれだけ変わるかを確かめる
プランの見直しで減らす
床暖房を使った月に、使用量がいちばん高い段まで届いているなら、使い方の工夫に加えて、契約中の料金プランが増えた分にどう単価をかけているかも効いてきます。
使用量が多い月に単価が上がる従量電灯と、使用量に関わらず単価が一定のプランでは、増えた分にかかる金額が変わります。電力会社の選び方で比較のしかたを整理しています。
よくある質問
Q床暖房の電気代は1時間いくら?
A機種と、ヒーターを敷いた面積で変わります。北日本電線の施工プラン例では、洋室10帖に敷くヒーターは9.2㎡で最大消費電力2,120Wです。最大消費電力のまま使い続けると仮定すると、目安単価31円/kWhで1時間約66円です。平均の消費電力がその半分なら約33円です。
Q床暖房を1か月使うと電気代はいくら?
A同社カタログの実験(2004年、木造・平成11年省エネ基準の8帖、外気温5℃・室温20℃・8時間運転)では、1日の使用電力量が5.99kWhと読めます。これを30日続けると179.7kWhで、目安単価31円/kWhでは約5,571円、東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)は約7,072円です。断熱や外の気温、設定温度で使用量は変わります。
Q消費電力×時間で計算してもいい?
A最大消費電力のまま使い続けた場合の目安にはなります。ただ、北日本電線のカタログの実験(2004年、木造・平成11年省エネ基準の8帖、外気温5℃・室温20℃)では、1.6kWを8時間使い続けた場合の12.8kWhに対し、使った電力量は5.99kWh(約47%)でした。パナソニックの施工説明書は、同社の電気床暖房の温度制御を「通電率によるリレーON・OFF制御」と書いています。
Q床暖房はつけっぱなしとこまめに消すのと、どちらが安い?
Aこのページで参照している施工説明書やカタログからは、どちらが安いかは判定できません。電力会社の会員サイトなどで日ごとの使用量が見られるなら、使い方を変えた日を、気温の近い日どうしで見比べると、自宅での違いが分かります。
Q床暖房とエアコンはどちらが電気代が安い?
Aこのページで参照している資料からは判定できません。1時間あたりの目安で見ると、エアコン暖房は当サイトの目安で約20〜40円です。床暖房は洋室10帖の例で、最大消費電力のまま使い続けると約66円、平均の消費電力がその半分なら約33円と、使い方によって重なる範囲があります。
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