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オイルヒーターの電気代はいくら?出力別の目安と、計算が実額とずれる理由

オイルヒーターを買ってから、思っていたより請求が増えて驚いた。そういう体験の裏には、計算のしかたに2つのずれがあります。

1つは、定格の消費電力を使い続ける前提で計算していること。実際は室温が設定に達するとヒーターは切れます。

もう1つは、1kWhあたりの単価を一律で置いていること。三段階の従量電灯を使っていて暖房で使用量が上の段に入る場合、実際に増える電力量料金は目安単価の計算より大きくなることがあります。

このページでは公式の取扱説明書にある出力から目安を示したうえで、この2つのずれを実際の料金表で数字にします。

この記事のまとめ

  • 公式取説の3段階出力は1,200W・700W・500W。1時間の上限は約37円・約22円・約16円
  • 室温が設定に達するとヒーターは切れるため、定格をずっと使うわけではない
  • 強で1日8時間・30日なら288kWh。目安単価では約8,928円だが、東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)は約11,457円
  • 差が出るのは、追加分の大半が従量電灯の最も高い段に入るため。この試算では平均約40円/kWh
  • 同じ出力でも、暖められる広さは住宅の断熱で約2倍変わる
電気代の計算方法をおさらいする 基本料金・従量料金・家電別の計算式

オイルヒーターの電気代の目安(出力別)

オイルヒーターの多くは、出力を3段階で切り替えます。アイリスオーヤマのIOH-1208KSとウェーブ型のKIWH2-1210Dは、どちらも取扱説明書の仕様欄でⅢ(強)1,200W、Ⅱ(中)700W、Ⅰ(弱)500Wと記載されています。

まずこの数値から、通電しっぱなしのときの上限を出します。

出力の設定消費電力1時間1日8時間1か月(8時間×30日)
Ⅲ(強) 1,200W 約37.2円 約298円 288kWh/約8,928円
Ⅱ(中) 700W 約21.7円 約174円 168kWh/約5,208円
Ⅰ(弱) 500W 約15.5円 約124円 120kWh/約3,720円

上表は消費電力と目安単価31円/kWhからの概算で、ヒーターが通電し続けたときの上限です。31円/kWhは公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価です。1日の欄は円未満を丸めているため、30倍しても1か月の欄とはわずかにずれます。実際は次の章のとおり設定温度で切れるため、これより小さくなります。出力の値はアイリスオーヤマ IOH-1208KS 取扱説明書および同 KIWH2-1210D 取扱説明書の仕様欄によります(2026-09-10 取得)。お使いの機種の値は本体のラベルか取扱説明書で確認してください。

定格どおりには動かない(設定温度で切れる)

取扱説明書が示す動き

オイルヒーターには温度調節のつまみがあり、室温が設定に届くとヒーターへの通電が止まります。

取扱説明書には「運転中は、設定した温度に達すると暖房が切れ、電源ランプが消灯します。温度が下がると再び暖房が入り、電源ランプが点灯します」と書かれています。電源ランプの説明も「暖房中は点灯します。設定温度に達すると消灯します」です。

つまり本体は、つけている間ずっと1,200Wを使っているわけではありません。暖まっては切れ、冷えては入る、を繰り返します。前章の表が「上限」なのはこのためです。

通電のしかた(電源ランプの点灯・消灯) 設定温度に届きやすい部屋 立ち上がり(通電が続く) 維持(入・切を繰り返す) 設定温度に届きにくい部屋 色の付いた区間が通電している時間。届かないままだと切れる時間が生まれません
電源ランプが点灯している時間が、色の付いた区間にあたります。

通電している割合を振って出す

では実際はどれくらいになるのか。通電している時間の割合は部屋の広さ・断熱・外気温で変わるため、ひとつの数字では出せません。そこで割合を振って並べます。強(1,200W)で1日8時間、30日使った場合です。

強(1,200W)を1日8時間・30日使ったとき。右列は東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)
ヒーターが通電している割合1か月の使用量目安単価31円での計算段階単価での電力量料金の増加分
100%(切れない前提) 288kWh 約8,928円 約11,457円
70% 202kWh 約6,262円 約7,974円
50% 144kWh 約4,464円 約5,626円
30% 86kWh 約2,666円 約3,278円

右の2列で額が違います。この差の理由が次の章です。なお右列は、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使っている家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分です。契約アンペアは変わらない前提なので基本料金は差額計算で相殺され、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含めていません。使用量は1kWh単位に丸めています。

1日何時間使うと、いくらになるか

使う時間で金額は大きく動きます。強(1,200W)のまま、1日の使用時間だけを変えたときの1か月の増加額です。

1日の使用時間で、1か月の増え方はこう変わる 4時間 5,626円 6時間 8,541円 8時間 11,457円 12時間 17,287円 24時間 34,779円 強1,200W・30日・東京電力 従量電灯B・暖房なしの月250kWhに上乗せした電力量料金の増加分
自分の使い方に近い行を見てください。東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)です。

4時間と8時間では約2倍、8時間と24時間では約3倍の開きがあります。この器具では、出力の設定より使用時間のほうが金額を左右します。次の章で、増え方が使用量に比例しない理由を説明します。

暖房を足すと、単価の段が上がる

従量電灯は、使った量が増えるほど1kWhあたりの単価が上がる三段階の料金です。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、120kWhまでが29.8円、120kWhを超えて300kWhまでが36.4円、300kWhを超えると40.49円です。

増えた分はどの段に入るか

暖房を使わない月に250kWh使っている家庭を考えます。ここに強で288kWh足すと、まず250kWhから300kWhまでの50kWhが36.4円、300kWhを超えた残りの238kWhが40.49円で計算されます。大半が最も高い段に入るため、平均すると1kWhあたり約39.8円。目安単価31円で計算していると、この差のぶんだけ小さく見積もることになります。

増えた288kWhは、どの単価で計算されるか もともとの250kWh 250kWh オイルヒーターで増えた288kWh 50kWh 36.4円 238kWh 40.49円(最も高い段) 合わせて約11,457円。288kWhで割ると1kWhあたり約39.8円になります。 目安単価31円で計算すると約8,928円で、差は約2,529円です。 東京電力 従量電灯B・契約アンペア不変・燃料費調整額と再エネ賦課金を含まない
増えた分の大半が、最も単価の高い区間に入ります。
オイルヒーターで増える額(強・1日8時間・30日) 通電100% 11,457円 通電70% 7,974円 通電50% 5,626円 通電30% 3,278円 東京電力 従量電灯B・暖房なしの月250kWhに上乗せ・契約アンペア不変 電力量料金の増加分(燃料費調整額・再エネ賦課金を含まない)
通電している割合が半分でも約5,626円増えます。東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)です。

1kWhあたりの実質単価は約40円になる

通電しっぱなしの場合、増える288kWhに対して電力量料金は約11,457円増えます。割り戻すと1kWhあたり約39.8円です。目安単価の31円より9円ほど高い。「計算したより請求が増えた」と感じる原因の一つがここにあります。

単価は東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bの公表値です。段の区切りと単価は電力会社とプランで違うため、お使いのプランの料金表で確認してください。エリア別の単価は大手電力の従量電灯の単価一覧にまとめています。

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立ち上がりが遅いのはなぜか

オイルヒーターは、本体の中に密閉されたオイルを電気で温め、その熱をフィンから部屋へ逃がす器具です。温風を吹き出すわけではないので、スイッチを入れてもすぐには室温が上がりません。

熱の伝わり方は2つあります。温まった本体の表面から出る輻射熱と、本体まわりで温められた空気がゆっくり動く自然対流です。一般に、ファンで送風しないぶん温度ムラができにくいとされています。

オイルは密閉されていて、補充や交換は要りません。取扱説明書の日常の手入れも「乾いた柔らかい布で軽く拭く」だけで、燃料を継ぎ足す作業もありません。

この点はメーカー自身が取扱説明書に書いています。「運転してすぐに部屋は暖まりません。使用する少し前から電源を入れる、最初だけ他の暖房器具を併用するなどしてください」という案内です。

つまりメーカー自身が、立ち上がり対策の一例として他の暖房器具との併用を挙げているということです。オイルヒーター1台で寒い部屋を暖め始めると、設定温度に届くまでのあいだは通電している時間が長くなりがちです。

切ったあとも熱が残る

一方で、温まった本体は電源を切ったあともしばらく熱を出し続けます。取扱説明書の注意書きに「使用中・使用直後は放熱部に触れない」とあるのは、この余熱があるためです。立ち上がりの遅さと引き換えに、切ったあとも急には冷えないという性質があります。

電気代の観点でまとめると、使う電力量は選んだ出力と、通電している時間の掛け算で決まります。出力は強・中・弱の3段階しかないので、同じ設定で使うかぎり金額を動かすのは通電時間のほうです。室温が設定に届くまでは通電が続きやすく、届いたあとは切れている時間が生まれます。だから同じ8時間でも、寒い部屋をゼロから暖める8時間と、すでに暖まった部屋を保つ8時間では、かかる金額が変わります。

同じ出力でも、断熱で暖められる広さが2倍変わる

「1,200Wもあるのに部屋が暖まらない」という悩みは、機器の性能ではなく部屋の側で説明がつくことがあります。メーカーの取扱説明書には、暖房の適用床面積が住宅の断熱性能ごとに載っています。

断熱材の厚み木造住宅コンクリート住宅
断熱材なし 約3畳(4.9㎡)まで
1㎡あたり244W
約4.5畳(6.9㎡)まで
1㎡あたり174W
断熱材50mm 約6畳(8.6㎡)まで
1㎡あたり140W
約8畳(12.9㎡)まで
1㎡あたり93W

取扱説明書の適用床面積の表

同じ1,200Wの機種でも、断熱材のない木造なら約3畳まで、断熱材50mmの木造なら約6畳までと、目安が2倍違います。

部屋がこの広さを大きく超えていると、設定温度に届きにくくなり、ヒーターが切れないまま動き続けることがあります。電気代が上限に近づくのはこの状態です。なお取扱説明書は、暖まらない原因として部屋の広さのほかに、ドアや窓が開いていること、本体の上に物が置かれていることなども挙げています。

冬の日本の住宅の一室。大きな窓にカーテンがかかり、外は雪の残る曇り空。
暖めた空気がどれだけ逃げるかは、窓とカーテンの状態で変わります。

1㎡を暖めるのに必要なW数

同じ表には、1㎡を暖めるのに必要なW数も載っています。木造で断熱材がなければ244W、断熱材50mmなら140W。断熱の有無で必要な電力が1.7倍違うという意味です。取扱説明書と同じ1畳=1.65㎡で換算すると6畳は9.9㎡なので、前者で約2,400W、後者で約1,390Wという計算になります。1,200Wの機種1台では前者の条件を満たせません。

買い替えや出力アップを考える前に、取扱説明書の適用床面積と自分の部屋を照らし合わせてみてください。目安を大きく超えているなら、窓の冷気対策で熱が逃げる量を減らすか、部屋全体ではなく人のいる範囲を暖める器具に切り替えるほうが、費用対効果は読みやすくなります。

適用床面積と1㎡あたりの必要W数はアイリスオーヤマ KIWH2-1210D 取扱説明書の記載です(2026-09-10 取得)。同表の注記によると、これは一般社団法人日本電機工業会の統一基準に準拠した目安で、室内外の温度差15℃以内の地区で、暖房設定温度を20℃としたときを基準に、1畳=1.65㎡として算出されています。寒冷地や設定温度を高くする場合はこの目安どおりにはなりません。数値は機種ごとに異なるため、お使いの機種の取扱説明書で確認してください。

設置に必要なスペース

本体そのものは大きくありません。取扱説明書の仕様では、IOH-1208KSが幅250×奥行395×高さ650mm・8.6kg、ウェーブ型のKIWH2-1210Dが幅256×奥行470×高さ630mm・10.5kgです。

ただし置くのに要る空間は、本体の寸法よりずっと広くなります。取扱説明書は、壁・家具・カーテンなどから距離を離すよう指示していて、設置図には上1m以上、側面20cm以上、前後1m以上と示されています。

上から見たときに空けておく範囲 本体 前 1m以上 後ろ 1m以上 側面 20cm以上 上方向にも1m以上。IOH-1208KS 取扱説明書の設置図より
本体は幅25cmほどでも、前後に1mずつ空ける必要があります。

壁ぎわに寄せて置きたくなりますが、取扱説明書が離隔距離を求めるのは、壁・家具・カーテンが熱で汚損するのを避けるためです。カーテンの近くは避けてください。

また、傾いたり転倒したりすると傾きセンサーが検知して運転を停止する安全装置や、本体が過熱したときに停止する安全装置も備わっています。移動するときに音がするのは、この転倒時安全装置によるものだと取扱説明書に記載があります。

つけっぱなしと、こまめに切るのはどちらが安いか

「つけっぱなしのほうが安い」と言われることがありますが、電気代についていえば、この器具では当てはまりません。なぜそうなるかを、部屋の状態ごとに見ていきます。

設定温度に届いている部屋の場合

まず、部屋の断熱が目安の範囲に収まっていて設定温度に届いている状態なら、つけっぱなしでもヒーターは切れている時間が長くなります。上限に張り付くことはありません。

ただし、この状態でもつけっぱなしが安くなるわけではありません。エアコンは外の熱を運び込むので「つけっぱなしのほうが安い」と言われることがありますが、オイルヒーターは電気をそのまま熱に変える器具です。室温を高く保っているあいだは熱が外へ逃げ続け、その分だけ通電が要ります。誰もいない部屋の室温を保つ電力は、快適さには使われていません。

つけっぱなしが向くのは、電気代ではなく別の理由がある場合です。ペットや小さな子どもがいる、起きたときに寒い部屋にしたくない、といった事情です。

設定温度に届いていない部屋の場合

逆に、部屋が適用床面積より広い、窓から熱が逃げ続けている、といった状態では設定温度に届きにくくなります。この場合は切れる時間が生まれにくく、通電している時間が長くなりがちです。

前の章の表でいえば通電100%の行に近づき、月に1万円を超える増え方になります。

判断の材料は電源ランプです。点灯し続けているなら設定温度に届いていない可能性が高く、消灯と点灯を繰り返しているなら届いていると読めます。前者の状態でつけっぱなしにすると通電が続きやすくなります。設定温度を下げる、部屋を締め切る、暖める範囲の狭い器具に替える、といった順で確認してください。

24時間つけっぱなしにするといくらか

24時間つけっぱなしにした場合も出しておきます。ペットや小さな子どものために切りたくない、という事情はあるためです。

24時間×30日、通電し続けたときの上限。右列は東京電力エナジーパートナー 従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合の電力量料金の増加分(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない)
出力の設定1か月の使用量目安単価31円での計算段階単価での電力量料金の増加分
Ⅲ(強)(1,200W) 864kWh 約26,784円 約34,779円
Ⅱ(中)(700W) 504kWh 約15,624円 約20,202円
Ⅰ(弱)(500W) 360kWh 約11,160円 約14,372円

強のまま24時間つけ続けると、目安単価の計算では約26,784円ですが、段階単価では約34,779円になります。差は約7,995円。使用量が増えるほど、目安単価との開きは大きくなります。

実際にはヒーターが切れる時間があるため、この額がそのままかかるわけではありません。ただし設定温度に届いていない部屋では上限に近づきます。24時間運転を考えるなら、まず適用床面積と設定温度を確認してください。

外出しているあいだはどうするか

外出のあいだをどうするかも同じ考え方です。切っておけば熱が逃げる量そのものが減るので、消費する電力量は抑えられます。引き換えに、帰宅してから設定温度に戻るまで時間がかかります。この器具は立ち上がりが遅いので、その待ち時間をどう見るかで決めてください。タイマーがある機種なら、帰宅の少し前に入るよう設定すると両立できます。

自分の機種で計算する

手元の機種で出すときは、次の順で確認します。

  1. 本体のラベルか取扱説明書の仕様欄で、出力ごとの消費電力(W)を調べる
  2. 消費電力(W)÷1000×使う時間(h)で、1回あたりの使用量(kWh)を出す
  3. 使用量に検針票の単価をかける。ここで目安単価ではなく、いま自分が使っている量に対応する段の単価を使う

3つ目が要点です。検針票には使用量と料金の内訳が載っています。すでに月300kWhを超えているなら、暖房で増える分は最も高い段の単価で効きます。検針票の読み方は電気の検針票の見方で解説しています。

なお、ここまでの増加額は電力量料金だけの話です。契約アンペアが変わらなければ基本料金は差額の計算で相殺されますが、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は使用量に応じて別に加わります。請求全体の内訳は電気代の計算方法で分解しています。

他の暖房と比べてどうか

オイルヒーターは、部屋全体をゆっくり暖める器具です。同じ「部屋全体を暖める」用途ではエアコン暖房と比べられますが、電気の使い方が違います。

エアコンは外の空気から熱を集めて運び込むのに対し、オイルヒーターは電気をそのまま熱に変えます。同じ電力量から取り出せる熱の量が違うため、一般に部屋全体を暖める用途ではエアコンのほうが消費電力量を抑えやすい傾向があります。ただし外気温が低いときや機種・設定によって差は変わります。

もう1つ、出力の調整のしかたが違います。インバーターを積んだエアコンには、室温が安定したあと消費電力を絞って運転する機種があります。対してオイルヒーターは3段階の切り替えで、通電しているあいだは弱でも500Wです。長時間つけておく使い方では、この差が積み上がることがあります。

夜の寝室。ベッドサイドの灯りだけがついていて、窓にはカーテンが引かれている。
風も運転音もないため、寝室で選ばれることがあります。

逆にオイルヒーターが向くのは、短時間の立ち上げを求めない場面です。寝室で就寝前から入れておく、風が当たるのを避けたい、といった使い方なら弱でも足ります。エアコンの電気代とあわせて、部屋と時間帯で使い分けるのが現実的です。

一方で、オイルヒーターには風が出ない、燃焼による排気が出ない、運転音が小さいという特徴があります。就寝時の寝室や、風が当たるのを避けたい場所では選ばれる理由になります。

こたつ・ホットカーペット・電気ストーブ・床暖房まで含めた1時間あたりの横断比較は、暖房の電気代はどれが安い?に一覧でまとめています。器具ごとの安い順と、暖める範囲による選び分けはそちらを参照してください。

電気代を下げる使い方

使い方で減らす

この器具で効くのは、ヒーターが切れている時間を延ばすことです。取扱説明書も「使い始めは高温に合わせ、部屋が暖まったら、つまみをゆっくり戻して電源ランプが消灯する位置が適温です」と案内しています。電源ランプが目安になります。

プランの見直しで減らす

使い方で減らせる範囲には限りがあります。冬のあいだ使用量が上の段に入るなら、契約している料金プラン自体を見直したほうが効く場合もあります。

とくに使用量が多い月に単価が上がる従量電灯と、使用量に関わらず単価が一定のプランでは、増えた分にかかる金額が変わります。電力会社の選び方で比較のしかたを整理しています。

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よくある質問

Qオイルヒーターの電気代は1時間いくら?

A出力の設定で変わります。公式の取扱説明書で3段階(1,200W・700W・500W)の機種を例にすると、目安単価31円/kWhでの1時間あたりは強で約37円、中で約22円、弱で約16円です。ただしこれは通電しっぱなしのときの上限で、室温が設定に達するとヒーターは自動的に切れます。実際の1時間あたりはこれより小さくなることが多めです。

Qオイルヒーターを1か月使うと電気代はいくら?

A強(1,200W)で1日8時間、30日使うと288kWhです。目安単価31円/kWhなら約8,900円ですが、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が上乗せした場合、電力量料金の増加分は約11,500円になります(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない試算)。使用量が増えて単価の高い段に入るため、目安単価の計算よりも高く出ます。ヒーターが切れている時間が長ければこれより小さくなります。

Qオイルヒーターの電気代が高いと言われるのはなぜ?

A理由は2つあります。1つは、部屋全体をゆっくり暖める使い方になるため通電時間が長くなりやすいこと。もう1つは、暖房で使用量が増えると従量電灯の単価が高い段に入り、増えた分にかかる1kWhあたりの単価が上がることです。東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bで、暖房を使わない月に250kWh使う家庭が288kWh上乗せした場合、電力量料金の増加分は平均で約39.8円/kWhでした(契約アンペアは変えず、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まない試算)。目安単価31円で計算していると小さく見積もることになります。

Qオイルヒーターをつけっぱなしにしても大丈夫?

A設定温度に達するとヒーターが切れ、下がると再び入る仕組みなので、つけっぱなしでも定格の消費電力を使い続けるわけではありません。ただし電気代の面では、つけっぱなしが安くなるわけではありません。オイルヒーターは電気をそのまま熱に変える器具で、室温を高く保っているあいだは熱が外へ逃げ続け、その分の通電が要ります。切っておけば逃げる熱そのものが減ります。引き換えに、戻すまで時間がかかります。つけっぱなしを選ぶ理由は電気代ではなく、ペットや小さな子どもがいる、起きたときに寒くしたくない、といった事情のほうです。なお、これは電力消費の話で、無人での連続運転を勧めるものではありません。取扱説明書は使用後にヒーター切替つまみを0にし、電源プラグを抜くよう案内しています。

Q同じ1,200Wなのに部屋が暖まらないのはなぜ?

A暖められる広さが住宅の断熱性能で変わるためです。メーカーの取扱説明書には、同じ機種でも断熱材がない木造なら約3畳まで、断熱材50mmの木造なら約6畳まで、という目安が載っています(日本電機工業会の統一基準に準拠し、室内外の温度差15℃以内・暖房設定温度20℃を基準とした値)。部屋がこの目安より広いと設定温度に届きにくくなります。まず適用床面積を取扱説明書で確認してください。ドアや窓が開いていないかなど、設置環境も確認対象です。

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